青天、哉。
実のところ、わかっていた。
あれがタバコなんかじゃないことくらい。
事実、青葉頼人はクスリをテーマにした小説を1作書いている。
興味本位でクスリに手を出した女子高生。
他人と違うことをやっている自分に、快感を覚える。
形あるものが許せず、壊そうとする。
少女はそれを「世界」と呼んで、戦った。
身も体もボロボロになった少女は、新月の夜に、親友を殺してしまう。
殺した親友を、土に埋めながら、「野犬に掘り起こされないように、野犬に掘り起こされないように、深く、深く」と言って、物語は終わる。
頼人は、あの時、自分を使って、物語と繋がろうとしたのだと思う。
次元を超える旅。
その旅を繰り返しながら、きっと生きてきたんだろうと思う。
でも、私は思う。
そんな人間は、いつか文学に、芸術に食い殺されてしまうのだろう、と。