青天、哉。
今ならはっきりとわかる。
頼人は、否定してほしかったのだ。
自分という存在を、この小説を通して、全否定してほしかったのだ。
それは、面白いと伝えるのでも、箇条書きで欠点を出すのでも違う。
黙っているのとも違う。
無関心の中の関心が一番、ダメなのだ。
この境地にたどり着くには、私という人間、そのものを変えなくてはならなかった。
青葉頼人という人間の理解者になるには、それだけの覚悟が必要なのだ。
自分で自分を殺すということ。
頼人は、小説を書くことで、自分を殺そうとした。
だから、私も自分という人間で、これを読んではいけなかった。
これが、アゲハの忠告なのだ。