運命の人



15歳の私と、13歳の妹。

未成年の私達だけでは、住む所の契約も出来なくて。

母が鹿児島から一緒に出て来てくれて、母娘3人の東京での生活が始まった。

幸せな事に、大手の芸能事務所へ所属する事ができ、お芝居の仕事が直ぐに来た。

MV(ミュージックビデオ)のPVに萌歌と共に出演させてもらった後。

NHKの大河ドラマの最終回で、ドラマデビューをさせていただいた。

その後はミュージカル、長編アニメの声優なんかも、やらせていただいて。

順風満帆とは、この事かと自分の人生が怖くなったりもした。

お仕事を始めて3年が経った頃には、映画の初主演をもぎ取った。

京都の舞妓さんの見習い役で、京言葉に苦戦しながらも演じきり。

光栄な事に日本アカデミー賞新人俳優賞をいただいた。

映画の舞妓役として、歌手デビューもさせてもらい、生活が安定した事もあって、母は鹿児島に帰り。

妹との2人暮らしが始まった。

私は18歳。妹はまだ16歳だった。

高校を卒業して、大学に進学したために、学業と仕事とを両立しなければならない。

故郷から遠く離れた、ここ東京は、人も街も全てが怖い。

3年経った今でも。

眠る時は、妹と同じベッドで眠る。

私が妹を護らないと。
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