若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜

なのに花が今度は自分から俺に近付いて来るから、驚きで固まる。

「…柊君…どうすれば良い?」
真っ赤になって半ば泣きそうな顔で、そっと俺の硬くなった場所に触れて来るから、目を見開き固まる。

「はっ⁉︎誰の受け入りだ?」
当惑しながら思わず聞いてしまう。

「…雑誌に…書いてあったから…。」
恐る恐るというふうに触れて来るからそれが絶妙なタッチで、

「うっ…。」
となってさすがの俺も理性が飛びそうになる。

「花…待って。」
花の手首をそっと掴んで止める。

「…良くない?」
今にも泣きそうな顔でそう言うから、

「良くなく無い訳じゃ無いけど…。」
純粋無垢な花の事だから、そうするべきだとそうしなければときっと妻の義務だと思って
してくれたのだろう。

「花は悪阻で辛かったり、これからお腹が大きくなったらもっと大変になると思う。
変われるものなら喜んで変わってやりたい。
でも出来ないから、だからせめて我慢する事を喜んで受け入れたいんだ。」

花は首を傾げて遠慮がちに聞いてくる。
「…我慢って…そういうのって出来るの?」

「花不足で死にそうだけど、大丈夫だ。」
俺は何でも無いと強がって笑い飛ばす。

「…その…浮気とかしない?」
それでも心配そうな目を向けて来るから、どんな雑誌の受け売りなんだと心配になってくる。

「俺が、何年片想いを拗らせてきたと思ってる?そんな1年そこそこで逃げ出すような思いじゃ無いんだ。俺をみくびるな。」
真剣な顔で花に伝える。

もはや、花以外の女性はみんな同じに見えるぐらい、花しか見えないんだと伝えてやりたい。
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