若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜

旦那様の思い(柊生side)

これは…さすがにやり過ぎたな…。

4月から新しい職場で疲れているだろうと、花を気遣い週末のみで抑えていたから、しかも出張で2日も会えなかったから、
いろいろ理由をつけては見るが…。

タガが外れて本能の導くまま夢中で花を抱いてしまった。

目覚めたら怒られるだろうな、と覚悟を決める。

柊生はそれでも罪滅ぼしに、朝なのか昼なのか分からないが何か美味しい物を用意しようと思い立つ。

リビングに行きカーテンを開け外を見下ろせば、いつもより車も少なくまるで休日のようだった。

実家の旅館の方は大丈夫だっただろうかと、心配になり電話をする。

ロビーのガラス張りの窓に折れた枝が飛んできてガラスが一部割れたと言う。

業者には手配済みで、今は仕方なく段ボールで塞いでいるが、それ以外は問題無いとの事だった。

停電があったか聞いてみたら、旅館も実家も停電にはなっておらず、どうやらこの高層マンションだけが、停電の被害を受けたらしいと判明する。

今は自発発電なのか分からないがちゃんと電気は通っているようだ。
次に下のコンシェルジュに電話する。

「昨夜の停電は直りましたか?」

「大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。今、修理に入っておりまして午後には復旧するだろうと思われます。 
自家発電の為もうしばらく節電にご協力下さいませ。」

落雷だから仕方ないと柊生は伝え、レストランが開いているか聞く。

節電の為、簡単なものしか提供出来ないと説明されたが、サンドウィッチとケーキや果物が乗った三段のケーキスタンドをお願いした。
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