若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
その柊生が時を経て、今目の前にいる。
可奈は幸せそうな2人を見つめ、あの頃の自分を投影させてむなしくなった。

もっと2人深く心を通わせていたらずっと続いていたのだろうか…。

いいや、あの頃も妹の花だけは特別だった。

いつだって花を優先し、彼女だった可奈の事は後回しにされて嫉妬していたのだから…。

許嫁だったんだ。
と、知った時妙に納得したのを覚えている。

可奈は今の自分と全く真逆な2人を睨み付ける。

片やバツイチ子持ち、生きて行くだけで精一杯の毎日だ。
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