若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
柊生達は2人仲良くシェアしながらハンバーグを食べ終えた。
「デザートは食べないのか?」
最近の柊生はやっと食べられるようになった花に、少し痩せてしまった分を、取り戻して欲しいとあれもこれもと食べさせたがる。
「桃のパフェとか美味しそう。でも、こんなに食べられないよ。」
花は迷ってるようだ。
「食べきれなかったら俺が食べるから頼のむぞ。」
花はこくんと頷き、嬉しそうに微笑む。
「桃のカフェを追加でお願いします。」
柊生は早速注文してくれる。
注文をとりに来たのがまた可奈だったのだが、一度も顔を見ようともせず、言葉を交わそうともしない。
「かしこまりました。」
と、可奈もがっかりしながら、それでも仕方が無いと他人行儀にその場を去ろうとすると、
「あの、お子さんはおいくつなんですか?」
逆に花が気を遣ったのかにこやかな雰囲気で話しかけてくるから、可奈は一瞬驚き怯む。
「えっと…今年で2歳です。」
「まだお小さいんですね。この時間まで働くのは大変じゃないんですか?」
他人事じゃ無いというふうに何故か花に心配される。
「両親と一緒に住んでるので何とかなるんです。」
良い子ちゃんな感じの花に可奈は若干イラっとしながら、淡々と話してその場を離れる。
「花が彼女の事で気に病む必要は無い。」
花は優しすぎるから他人の気持ちと同調しやすい。
それは柊生が心配になるほどで。
心が乱れてしまう花を受け止め諭すような眼差しをむける。
「…分かってるけど、
私ももうすぐママになるしなんだか同情しちゃう。」
見るからに気持ちが沈んでしまった花に、柊生は頭を悩ませる。
「花、花は今1番に考えなきゃいけない事は、お腹の赤ちゃんと、自分の体調の事だけだ。
大事な時期なんだから、他人を心配している場合じゃ無いだろ?」
両手を握って真剣な眼差しで、柊生は花に伝える。
「俺が今、1番大切なのは花とお腹の子だけなんだ。花が心身ともに元気でいる事が、赤ちゃんの為にも大切な事だ。
それは俺の為でもある。今はその事だけに集中して欲しい。」
花の手をぎゅっと握りしめて気持ちを伝える。
こくんと深く頷く花に、柊生も安堵してフッと笑う。
たまらず花の手の甲に口付けを落とすから、
これには花も恥ずかしくなって、
「しゅ、柊君…分かったから…手、離して、恥ずかしい。」
公衆の面前でそうされた事で赤面してしまう。
柊生はというと、そんな花の訴えにはものともせず、花の両手を優しく握り離そうとはしてくれない。
「い、意地悪しないで、柊君。」
花は小声になって、容赦無く妻を愛でる夫に抗議する。
「夫婦のイチャつくの何て誰も気にしてない。」
柊生は平気な顔で、完璧なまでの笑顔でパフェが届くまでずっとそのままだった。
お陰で花は他の事など考える事も出来なくなって、ただひたすら目の前の夫の一挙手一投足に、目が離せなくなる。
「デザートは食べないのか?」
最近の柊生はやっと食べられるようになった花に、少し痩せてしまった分を、取り戻して欲しいとあれもこれもと食べさせたがる。
「桃のパフェとか美味しそう。でも、こんなに食べられないよ。」
花は迷ってるようだ。
「食べきれなかったら俺が食べるから頼のむぞ。」
花はこくんと頷き、嬉しそうに微笑む。
「桃のカフェを追加でお願いします。」
柊生は早速注文してくれる。
注文をとりに来たのがまた可奈だったのだが、一度も顔を見ようともせず、言葉を交わそうともしない。
「かしこまりました。」
と、可奈もがっかりしながら、それでも仕方が無いと他人行儀にその場を去ろうとすると、
「あの、お子さんはおいくつなんですか?」
逆に花が気を遣ったのかにこやかな雰囲気で話しかけてくるから、可奈は一瞬驚き怯む。
「えっと…今年で2歳です。」
「まだお小さいんですね。この時間まで働くのは大変じゃないんですか?」
他人事じゃ無いというふうに何故か花に心配される。
「両親と一緒に住んでるので何とかなるんです。」
良い子ちゃんな感じの花に可奈は若干イラっとしながら、淡々と話してその場を離れる。
「花が彼女の事で気に病む必要は無い。」
花は優しすぎるから他人の気持ちと同調しやすい。
それは柊生が心配になるほどで。
心が乱れてしまう花を受け止め諭すような眼差しをむける。
「…分かってるけど、
私ももうすぐママになるしなんだか同情しちゃう。」
見るからに気持ちが沈んでしまった花に、柊生は頭を悩ませる。
「花、花は今1番に考えなきゃいけない事は、お腹の赤ちゃんと、自分の体調の事だけだ。
大事な時期なんだから、他人を心配している場合じゃ無いだろ?」
両手を握って真剣な眼差しで、柊生は花に伝える。
「俺が今、1番大切なのは花とお腹の子だけなんだ。花が心身ともに元気でいる事が、赤ちゃんの為にも大切な事だ。
それは俺の為でもある。今はその事だけに集中して欲しい。」
花の手をぎゅっと握りしめて気持ちを伝える。
こくんと深く頷く花に、柊生も安堵してフッと笑う。
たまらず花の手の甲に口付けを落とすから、
これには花も恥ずかしくなって、
「しゅ、柊君…分かったから…手、離して、恥ずかしい。」
公衆の面前でそうされた事で赤面してしまう。
柊生はというと、そんな花の訴えにはものともせず、花の両手を優しく握り離そうとはしてくれない。
「い、意地悪しないで、柊君。」
花は小声になって、容赦無く妻を愛でる夫に抗議する。
「夫婦のイチャつくの何て誰も気にしてない。」
柊生は平気な顔で、完璧なまでの笑顔でパフェが届くまでずっとそのままだった。
お陰で花は他の事など考える事も出来なくなって、ただひたすら目の前の夫の一挙手一投足に、目が離せなくなる。