若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
柊生に一報が届いたのは、
夕方なんとか定時で花を迎えに行きたいと、残った事務作業を躍起になって無心で片付けていた時だった。
秘書の永井から内線が入る。
「社長、花さんの保育園の園長からお電話です。」
「園長先生?」
嫌な直感がして、受話器を握る手に思わず力が入る。
「分かった、代わる。」
緊張しながら電話を代わる。
『良かった…柊生君、会社にいてくれて。』
明らかに慌てたような園長の声に、胸騒ぎを覚えつつ冷静を装って柊生は話し出す。
「ご無沙汰しております。
どう、しましたか?こんな時間に…。」
『柊生君…落ち着いて聞いて。
今、花先生が階段から落ちて……
見つけた遠藤先生が救急車を呼んでK大病院に運ばれているんだ。
僕も今から行くから、柊生君も直ぐに出られるかい?』
衝撃過ぎて一瞬頭が真っ白になる。
「…分かり、ました…今から直ぐに出ます!
花は?花の様態は⁉︎」
『分からないんだ。出血は無さそうだけど意識が無くて…救急隊員の話しでは脳震盪じゃ無いかって…。立ちくらみにで落ちたのか、踏み外して落ちたのか…見ていた人も居なくて…とりあえずK病院で。』
院長は早口でそう捲し立て電話を切る。
柊生は震える手でなんとか受話器を置く。
真っ白になった頭で動き出そうとするのに…目の前は真っ暗で…。
「社長!しっかりして下さい。花さんに何か⁉︎」
園長からの電話でただ事じゃ無いと悟った秘書が、車のキーを片手に駆け付けていた。
柊生はその声に我に返り、手早く荷物をまとめ動き出す。
「K大病院だ。花が階段から落ちて運ばれたと…。」
動揺を隠す事なく秘書に伝える。
「分かりました。
車出しますから今から行きましょう。
大丈夫です!
花さんは大丈夫。社長、お気をしっかり!」
真っ青な顔の柊生を奮い立たせ、秘書の永井は走り出す。
夕方なんとか定時で花を迎えに行きたいと、残った事務作業を躍起になって無心で片付けていた時だった。
秘書の永井から内線が入る。
「社長、花さんの保育園の園長からお電話です。」
「園長先生?」
嫌な直感がして、受話器を握る手に思わず力が入る。
「分かった、代わる。」
緊張しながら電話を代わる。
『良かった…柊生君、会社にいてくれて。』
明らかに慌てたような園長の声に、胸騒ぎを覚えつつ冷静を装って柊生は話し出す。
「ご無沙汰しております。
どう、しましたか?こんな時間に…。」
『柊生君…落ち着いて聞いて。
今、花先生が階段から落ちて……
見つけた遠藤先生が救急車を呼んでK大病院に運ばれているんだ。
僕も今から行くから、柊生君も直ぐに出られるかい?』
衝撃過ぎて一瞬頭が真っ白になる。
「…分かり、ました…今から直ぐに出ます!
花は?花の様態は⁉︎」
『分からないんだ。出血は無さそうだけど意識が無くて…救急隊員の話しでは脳震盪じゃ無いかって…。立ちくらみにで落ちたのか、踏み外して落ちたのか…見ていた人も居なくて…とりあえずK病院で。』
院長は早口でそう捲し立て電話を切る。
柊生は震える手でなんとか受話器を置く。
真っ白になった頭で動き出そうとするのに…目の前は真っ暗で…。
「社長!しっかりして下さい。花さんに何か⁉︎」
園長からの電話でただ事じゃ無いと悟った秘書が、車のキーを片手に駆け付けていた。
柊生はその声に我に返り、手早く荷物をまとめ動き出す。
「K大病院だ。花が階段から落ちて運ばれたと…。」
動揺を隠す事なく秘書に伝える。
「分かりました。
車出しますから今から行きましょう。
大丈夫です!
花さんは大丈夫。社長、お気をしっかり!」
真っ青な顔の柊生を奮い立たせ、秘書の永井は走り出す。