若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
それからみんなでオードブルを囲んで束の間楽しい時間を過ごす。

そして2人が帰った後、片付けをして寝る支度に入る。

柊生は花のベッドの隣に簡易ベッドを広げ、出来るだけ近付けて設置するから、それをふふっと笑いながら見て花は布団に入る。

この病室は普通のベッドだから、隣で眠る柊生がとても近くて安心する。

「明日犯人が捕まっても、花が心を痛め無くていいんだからな。犯した罪は償わなくちゃいけないんだ。誰のせいでも無いんだ。」
ベッドに入り柊生が花の手を握りそう伝える。

花は頷き微笑む。
「柊君もだよ。
私も赤ちゃんも大した事無かったんだから恨みっこ無しだよ。」

花は背中があざだらけだし、普通分娩が出来なくなった事は十分大した事だと思うが…
柊生はそう思いながら、胎教の為にもこれ以上は言うべきでは無いと思い止まる。

「分かった。さぁ、早く寝よう。
また、夜中に赤ちゃんにお腹蹴られて起こされたらいけない。」
花の頬にキスを落とし、2人はおやすみを言い合う。

花は、どうか犯人が分かっても柊君が心穏やかでいられますように。そう思いながら目を閉じる。
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