若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
次の日、柊生はいつも通りの仕事をこなしながら警察からの連絡を待つ。

夕方過ぎても連絡は無く、そろそろこっちから連絡しても良いんじゃ無いかと思う始め受話器を見つめる。

トゥルル トゥルル…

秘書からの内線がかかる。

「もしもし、どうした?」

「警察からお電話です。」

「ありがとう。」
淡々と話すが、内心ではどくんと心臓が波立つ。

「はい。お電話代わりました。一橋です。」

「連絡が遅くなり申し訳ありません。刑事課の二階堂です。」

「お世話になります。それで…どうでしたか?」

「ええ、自供に少し時間がかかりましたが、本人が認めました。
…名前を、宮城可奈30歳。貴方と同級生だったと言う事ですが、ご存じですか?」

えっ……時が止まったかのように柊生から血の気が引く。

なぜ?あの時…素っ気ない態度を取ったが、だからと言ってそこまで執着された覚えも無い。

それに、なぜ花の勤め先が分かったんだ…。
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