若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
その後も柊生は順調に勝ち進み、久しぶりに出た大会にも関わらず、気付けば優勝していた。
花達も最後まで見つからずに見る事が出来て、安堵と興奮の冷めやらぬ中で会場を後にする。
「でもやっぱり凄い人なんだね、花ちゃんの旦那様は。
久しぶりだったんだよね?
まさか勝っちゃうなんて思わないから、応援してるこっちも思わず興奮しちゃった。」
「僕も久々に心動かされたなぁ。」
出口に向かう廊下を興奮覚めやらぬ感じで、花の車椅子を押しながら歩いていると…
「花…!」
後ろから不意に呼び止められる声に、3人はハッとして、凍り付き足を止める。
カツカツカツと、近寄ってくる足音に動揺して3人はなかなか振り返る事が出来なかった…。
思っていたよりも早く、足音の主は3人に辿り着き振り返るよりも早く前に回り込む。
そこでいち早く反応したのは間柴で、バッと風を切って勢いよく頭を下げる。
「すいませんでした!」
それにはさすがにその場にいた人々が何事かと気付き、好奇な目線に晒される。
少し遅れて、花と美波も『ごめんなさい。』と慌てて頭を下げた。
「いえ、頭を下げてください。
今日はわざわざ花を連れて来て頂きありがとうございました。」
目の前に立つ柊生が一礼をする。
授賞式終わりに急いで駆けつけたであろう事を物語る、袴姿で額には薄ら汗を浮かべている。
だけど、いつも通りの爽やかさでにこやかに笑う柊生そのものだったから、
3人は戸惑い顔を見合わせる。
「あの…怒ってないの?」
車椅子に座る花がおずおずと顔を見上げる。
花達も最後まで見つからずに見る事が出来て、安堵と興奮の冷めやらぬ中で会場を後にする。
「でもやっぱり凄い人なんだね、花ちゃんの旦那様は。
久しぶりだったんだよね?
まさか勝っちゃうなんて思わないから、応援してるこっちも思わず興奮しちゃった。」
「僕も久々に心動かされたなぁ。」
出口に向かう廊下を興奮覚めやらぬ感じで、花の車椅子を押しながら歩いていると…
「花…!」
後ろから不意に呼び止められる声に、3人はハッとして、凍り付き足を止める。
カツカツカツと、近寄ってくる足音に動揺して3人はなかなか振り返る事が出来なかった…。
思っていたよりも早く、足音の主は3人に辿り着き振り返るよりも早く前に回り込む。
そこでいち早く反応したのは間柴で、バッと風を切って勢いよく頭を下げる。
「すいませんでした!」
それにはさすがにその場にいた人々が何事かと気付き、好奇な目線に晒される。
少し遅れて、花と美波も『ごめんなさい。』と慌てて頭を下げた。
「いえ、頭を下げてください。
今日はわざわざ花を連れて来て頂きありがとうございました。」
目の前に立つ柊生が一礼をする。
授賞式終わりに急いで駆けつけたであろう事を物語る、袴姿で額には薄ら汗を浮かべている。
だけど、いつも通りの爽やかさでにこやかに笑う柊生そのものだったから、
3人は戸惑い顔を見合わせる。
「あの…怒ってないの?」
車椅子に座る花がおずおずと顔を見上げる。