若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜

旦那様の仕事に同行する

カタカタ…カタカタ…

何かがカタカタと小さく揺れる音で目が覚める。

「えっ…⁉︎」
ここはどこ?
ボーっとする頭てひたすら考える。

車…の中…?
横を見ると、運転する柊君が…⁉︎

「えっ⁉︎ここどこ?」 

花はびっくりして飛び跳ねそうになる。

ハハッと面白そうに笑いながら、柊生はチラッと花を見る。

「おはよう。やたら今日は目覚めがいいな。」
サングラスをかけた横顔は、いつもより何十倍かっこよくて見入ってしまう。

「…おはよ。いつの間に車の中⁉︎
全然気付かなかった…。」

「ベッドから抱き上げる時、一回目が開いたから今から行くよって伝えたけど?」

「全然…覚えてない。」

あれはまだ覚醒してなかったのか…。
あの状況で目覚めてなきゃ、誰かに連れさられても分かんないぞ。

柊生は人知れず恐怖を覚える。

結婚した今、誰かに掻っ攫われる様な事は今後無いと思うが、本当に俺の奥さんは無防備で隙だらけだ。

柊生は頭を押さえながら花を心配する。

「お腹は、空いてる?
もう直ぐサービスエリアがあるから、そこで何か買おう。」

「うん…。」

花はまだ、ぼぉーっとした頭で現実が追いつかない。ひたすら外の景色を眺める。
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