若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
「あの人も場はわきまえてるみたいだな。」

柊生がポツリと言って、花の手を取りタクシーに乗り込みホテルへ戻る。

夕方からの懇親会はこのホテルが会場となる。
始まるまでの少しの間、花と柊生はホテルのスイートルームで休憩する。

「凄い、広いねー!」
花は部屋に到着した途端テンションが上がって楽しそうだ。

部屋には和室に寝室にはキングサイズのベッドもある。

ソファは10人くらい座れるんじゃないかと思うほど大きなもので、大きな窓の向こうにはバルコニーが付いている。

しかも温泉付きで露天風呂まであるから、かなりグレードの高い部屋だと直ぐに認識す。

花はあっちの部屋こっちの部屋とパタパタと見て回る。

その姿を可愛いなと思いながら、柊生はベッドにダイブする。ここち良い疲れを感じながら、ベッドに横になりながら花を目で追う。

ひとしきに見て満足した花が、柊生を見つけて近寄って来る。
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