若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜

旦那様との久しぶりのデート

朝食を急いで食べ終え、温泉リゾート施設に行く。
入口辺りに水着ショップがあって、柊生は早速花の水着を探し始める。

思っていたより種類が豊富で、柊生には珍しく迷っている。

「これ、試着出来ますか?」
ショップ定員まで巻き込んで真剣に水着を探す柊生を、花は少し遠目で見つめる。

柊生の水着でも探してみようと思い立ち、メンズの水着売り場をウロウロしていると、

あっ、これ可愛い。

花が見つけたのは可愛いキャラクターが入った水着で、柊生だったらまず選ばない絵柄だった。

「花?」
突然居なくなった花を探して柊生が探しに来る。

「柊君、この水着どう?可愛いよ。」

「それ、俺が着るの?」
若干嫌そうな顔をするけど、
「花が来て欲しいなら着るから、花もちょっと試着して。」

自分の事はどうでも良いふうに軽く受け流し、花の手を取り試着室に連れて行く。

「試着して。」
そこには既に3着の水着が用意されていて、
どれもビキニとは言うまででは無いが、セパレートタイプのものだった。

「えっ⁉︎ちょっと大人っぽ過ぎない?」
花は不安になって躊躇する。

「とりあえず着てみないと分からないだろ?」
ショップの店員さんもどうぞと試着室に花を押しやるので、断り切れずに着る羽目になる。

真っ白な水着をとりあえず上だけ着てみる。
リボンが真ん中に付いていて可愛いけれど、胸の谷間もくっきり見えてしまう、結構大胆な水着だった。
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