若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
リゾート施設のプールにはジャグジーや流れるプール、滝壺のような所に、いろいろな種類のウォータースライダーなどがあった。

室内にこれほど広いプールが入ってるなんてと、花は感動しキョロキョロ周りを見渡す。

ショーを観ながらご飯が食べれる場所まである。
個室のジャグジーもあるから後で入ろうと、柊生はいつに無く楽しそうだ。

「凄いね、柊君!」
花も楽しくなってきて、柊生の手を取り先を急ぐ。

「あの、ゴムボートみたいなの乗ってみたい。」
子供みたいにはしゃぐ花が可愛くて、柊生もニコニコと後を着いて行く。

「大丈夫。今日は1日はここにいるつもりだから、慌てなくても全部制覇出来るよ。」
柊生はそう言って、花にまず水分をと思い休憩場所と飲み物を確保する。

「この場所は今日一日中貸切だから、疲れたらここに戻ってのんびりしよう。」

ハワイアンブルーの炭酸水が入ったグラスにはストローが2つ刺さっている。

「凄い、ハワイアンっぽい!」
花は喜び写メを撮る。

嬉しそうな花を見て、連れて来て良かったと柊生も嬉しくなる。

花が逃避行した北海道以来、気付けば旅行らしい所に行けてなかったな、と反省する。

花の行きたい場所リストをまだ完全制覇出来ていない。

週末はこうやって出掛けて過ごすのも悪く無いなと、柊生は思った。
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