若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
「確かに、信頼関係が無かったら話し合いも出来ませしね。感情的になってもっと揉めちゃうだけですよね。」
間柴先生もそう納得する。

「だから、あなたは愛を乞うしか出来ないんです。信頼関係を取り戻すために。」
柊君がそう言う。

「分かりました。今から行ってきます。」
遠藤先生は勢いよく立ち上がったものの、
ハッとして沈む。

「…あっ、俺ビール飲んじゃって運転出来ないじゃん。」
しょぼんとなって項垂れる。

「送って行きますよ。微力ながらお手伝いさせて下さい。」
柊君が微笑み立ち上がり他の2人に頭を下げる。
私に目線を合わせて、行こうと言うふうにカバンも一緒に持ってくれる。

「じゃあ、間柴先生、美波先生お先に失礼します。」
私も立ち上がって2人に笑顔を向ける。

「さすが社長さんだね。一瞬で解決しちゃった。」
美波先生が私にこそっとそう言って、バイバイと手を振る。

「じゃあ、休み明けにね。」
いつものニコニコ顔に戻った間柴先生も手を振ってくれた。

私もホッとして2人に手を振り返し、柊君と遠藤先生と共に店を後にする。
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