若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
「こんにちは、よろしくお願いします。」
花は緊張気味に診察室に入る。
中年の女医に少しホッとしながら、問診を受ける。
「一度、婦人科に受診してみましょうか。」
女医からの提案に花はびっくりした。
「えっ、産婦人科ですか⁉︎」
花は目を見開き驚き固まる。
身に覚えが無い訳ではないが…
いつも柊君は避妊してくれていたし……
生理は元々不順だから少し遅れていても、全然気にも止めていなかった。
「避妊してても絶対では無いのよ。結婚3年目だと言う事だし、いつ妊娠してもおかしく無いわ。
ついでだから今から産婦人科に行ってくれる?」
「い、今からですか⁉︎予約とか…。」
「大丈夫。私、個人的に若旦那様のファンなの。このくらいの優遇は簡単だから。」
ニコニコと笑う女医さんに、
「あ、ありがとうございます…。」
と、とりあえずお礼をするが、花の頭はまだ現実について行けていない。
「先生、待合室に柊様居ましたよ。」
呼び出しをしてくれた看護師がこそっと女医に告げる。
「えっ、本当に!話したかったぁ。」
やたらミーハーな感じのノリに花は内心驚きを隠せない。
「柊様も呼びましょうか?」
と、看護師も嬉しそうに話している。
どこに行っても柊君はモテモテだなぁと花は変に感心してしまう。大した用もないのに柊生は呼び出され、神妙な顔で花の隣に座る。
「あの、妻は何か…病気ですか?」
不安そうに柊生は女医に聞く。
「いえいえ、もしかしたらおめでたかもしれないですよ。今から婦人科に移動してもらおうと思ってます。」
えっ!と驚いた顔をして柊生は花を見つめる。
「婦人科は3階になります。尿検査と血液検査をしてもらって内診をする事になると思います。」
「つかぬ事を伺いますが、産婦人科は女性のお医者様ですか?」
柊生がそう聞くから、今、大事なとこはそこなの?っと花はつい笑いそうになってしまう。
「女医が良いならそう伝えておくわね。」
意外と聞き入れてくれるらしく、柊生の不安は少し解消された様だった。
医師だとしても、自分以外の男が花に触れるなんて考えられない。しかも産婦人科なんてもっての外だ。
「あの、こんな時になんですけど…。
私、若旦那様のファンなんです。サイン頂けますか?」
女医は柊生を前に堪らずお願いしてくる。
「えっ?あ、良いですよ…。」
柊生もまさか病院でサインを求められるとは思わず、面食らった顔で要望に答えている。
「あの…一応一般人なので、サインとかってあまり書いた事無いんですが。」
差し出されたバインダーに書く事に戸惑いながら柊生は苦笑いする。
「それってかなりレアじゃないですか!是非書いて下さい。」
仕方ないと言うふうに、女医から渡された油性マジックを使って綺麗な字でサインを書いた柊生は、花の手を取り立ち上がる。
「では、産婦人科に行って来ますので、ありがとうございました。」
「もし、婦人科系で無ければこちらに検査内容が届きますから後日、再検査になります。」
「分かりました、ありがとうございます。」
柊生が丁寧にお辞儀をするので、花も慌てて頭を下げる。
花は緊張気味に診察室に入る。
中年の女医に少しホッとしながら、問診を受ける。
「一度、婦人科に受診してみましょうか。」
女医からの提案に花はびっくりした。
「えっ、産婦人科ですか⁉︎」
花は目を見開き驚き固まる。
身に覚えが無い訳ではないが…
いつも柊君は避妊してくれていたし……
生理は元々不順だから少し遅れていても、全然気にも止めていなかった。
「避妊してても絶対では無いのよ。結婚3年目だと言う事だし、いつ妊娠してもおかしく無いわ。
ついでだから今から産婦人科に行ってくれる?」
「い、今からですか⁉︎予約とか…。」
「大丈夫。私、個人的に若旦那様のファンなの。このくらいの優遇は簡単だから。」
ニコニコと笑う女医さんに、
「あ、ありがとうございます…。」
と、とりあえずお礼をするが、花の頭はまだ現実について行けていない。
「先生、待合室に柊様居ましたよ。」
呼び出しをしてくれた看護師がこそっと女医に告げる。
「えっ、本当に!話したかったぁ。」
やたらミーハーな感じのノリに花は内心驚きを隠せない。
「柊様も呼びましょうか?」
と、看護師も嬉しそうに話している。
どこに行っても柊君はモテモテだなぁと花は変に感心してしまう。大した用もないのに柊生は呼び出され、神妙な顔で花の隣に座る。
「あの、妻は何か…病気ですか?」
不安そうに柊生は女医に聞く。
「いえいえ、もしかしたらおめでたかもしれないですよ。今から婦人科に移動してもらおうと思ってます。」
えっ!と驚いた顔をして柊生は花を見つめる。
「婦人科は3階になります。尿検査と血液検査をしてもらって内診をする事になると思います。」
「つかぬ事を伺いますが、産婦人科は女性のお医者様ですか?」
柊生がそう聞くから、今、大事なとこはそこなの?っと花はつい笑いそうになってしまう。
「女医が良いならそう伝えておくわね。」
意外と聞き入れてくれるらしく、柊生の不安は少し解消された様だった。
医師だとしても、自分以外の男が花に触れるなんて考えられない。しかも産婦人科なんてもっての外だ。
「あの、こんな時になんですけど…。
私、若旦那様のファンなんです。サイン頂けますか?」
女医は柊生を前に堪らずお願いしてくる。
「えっ?あ、良いですよ…。」
柊生もまさか病院でサインを求められるとは思わず、面食らった顔で要望に答えている。
「あの…一応一般人なので、サインとかってあまり書いた事無いんですが。」
差し出されたバインダーに書く事に戸惑いながら柊生は苦笑いする。
「それってかなりレアじゃないですか!是非書いて下さい。」
仕方ないと言うふうに、女医から渡された油性マジックを使って綺麗な字でサインを書いた柊生は、花の手を取り立ち上がる。
「では、産婦人科に行って来ますので、ありがとうございました。」
「もし、婦人科系で無ければこちらに検査内容が届きますから後日、再検査になります。」
「分かりました、ありがとうございます。」
柊生が丁寧にお辞儀をするので、花も慌てて頭を下げる。