若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
次の日から、花は送迎付きで保育園に通う事になる。
柊生が無理な時は康生が代わりに来たり、会社の秘書までが迎えに来てくれたりと、本当に周りの人に申し訳ないくらいだ。

柊生から体調不良を聞かされた園長は、過保護に花を特別扱いし、困ってしまうほど休憩を取らせてくれた。

プールの日は花の代わりに園長が海パンを履いて3歳児達とプールに入り、花はその間、簡単な事務仕事をして過ごせた。

お昼もおやつまでも落ち着いて食べることが出来たし、1日の半分はクーラーの効いた職員室で過ごすようになった。

それよりも何よりも1番変わったのは家に帰ってからで、丁度良いタイミングで、和洋中華の温かいケータリングが毎晩日替わりで届けられた。

心配症の柊生が花が家事をしなくて良いように、家事代行サービスまで頼んでくれて、部屋の掃除や洗濯を畳む事さえも、帰ったら全て完璧に終わっていた。

過剰過ぎる旦那様の気配りに花は戸惑い、さすがに洗濯物は下着もあるし、自分でやりたいと訴えて、それだけはかろうじてやらせてもらう事になって、花はホッとした。

そんなこんなで3週間はあっという間に過ぎ、検診の日。
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