若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
朝から地方のイベントに呼ばれている柊生は、ギリギリまでスケジュール調整をしたが、産婦人科に付き添う事が出来ず残念そうだ。

「花、何が無くても診察が終わったら必ず連絡して。心配で講演会どころじゃ無い。」

朝食を食べながら花に言い聞かせる。

「分かったよ。講演会の時間は何時から?
終わった頃を見計らってメールするね。」
花がにこりと笑って言う。

このところ過保護にされているせいか、食事も少しずつ普通に取れるようになり、悪阻が軽くなってきている。

それが逆に柊生を心配させる。
体調が改善されて花も元気になったからそれはそれでホッとしたのだが、

普通は3か月頃から、悪阻が重くなると取り寄せた書物には書いてあった…。


「お腹は痛く無いか?気持ち悪さは?」
柊生はまるで医者のように日々聞いてしまう。

「少し胃がムカムカするぐらいだよ。
最近ご飯も美味しいし大丈夫。」
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