若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
柊生が出勤してから朝食の片付けをしていると、ウッと突然吐き気が来てトイレに駆け込む。
柊君には悪阻安定剤の効果があるのかもしれない。花は本気でそう思い始めた。
康生の迎えが来るまで、ソファに横になってひたすら吐き気と戦う。
赤ちゃんが元気に大きくなってる証拠だと思って、耐えるしかない。
スマホが鳴って康生が迎えに来た事を告げる。
花は何事も無かったかのように立ち上がり、康生の元に向かう。
マンション前のロータリーに康生の愛車を見つけて駆け寄る。
真っ赤なスポーツカーはどこにいても目立つ。
今月は保育園の登下校で2、3回康生にもお世話になったから、勘の良い康生なら柊生の言うように何か気付いているかもしれない。
近頃の康生は若旦那業も板につき、羽織袴姿もしっくり来るようになって来た。
さすが、終生と兄弟だと思うくらいにイケメン度合いを上げている。
「おはよう。康君、お休みなのにわざわざごめんね。」
花は笑顔で康生に挨拶をする。
康生は車内から助手席のドアを開けながら、
「おはよう。別に用事は無いから気にするな。それより、顔色悪いけど大丈夫か?」
車に乗り込む花を心配そうに覗き込む。
「大丈夫だよ。少し貧血気味なだけだから、心配しないで。」
シートベルトを緩めに締めて花は笑う。
車の芳香剤が少し気になり吐き気を誘う。
「ちょっとごめん、窓開けていい?自然の風の方が気持ちいいの。」
真夏の熱風の方が良いと言う、ちょっと変な言い訳をしながら窓を開ける。
残念ながら康生には安定剤効果は無いみたい、と花は密かに思う。
「病院は定期的に通ってるのか?
兄貴も詳しく言わなかったから、無理矢理は聞かないけど女将も親父も心配してる。
早めに教えろよ。」
家族には今日の結果次第でちゃんと伝えなくちゃと、花は思う。
柊君には悪阻安定剤の効果があるのかもしれない。花は本気でそう思い始めた。
康生の迎えが来るまで、ソファに横になってひたすら吐き気と戦う。
赤ちゃんが元気に大きくなってる証拠だと思って、耐えるしかない。
スマホが鳴って康生が迎えに来た事を告げる。
花は何事も無かったかのように立ち上がり、康生の元に向かう。
マンション前のロータリーに康生の愛車を見つけて駆け寄る。
真っ赤なスポーツカーはどこにいても目立つ。
今月は保育園の登下校で2、3回康生にもお世話になったから、勘の良い康生なら柊生の言うように何か気付いているかもしれない。
近頃の康生は若旦那業も板につき、羽織袴姿もしっくり来るようになって来た。
さすが、終生と兄弟だと思うくらいにイケメン度合いを上げている。
「おはよう。康君、お休みなのにわざわざごめんね。」
花は笑顔で康生に挨拶をする。
康生は車内から助手席のドアを開けながら、
「おはよう。別に用事は無いから気にするな。それより、顔色悪いけど大丈夫か?」
車に乗り込む花を心配そうに覗き込む。
「大丈夫だよ。少し貧血気味なだけだから、心配しないで。」
シートベルトを緩めに締めて花は笑う。
車の芳香剤が少し気になり吐き気を誘う。
「ちょっとごめん、窓開けていい?自然の風の方が気持ちいいの。」
真夏の熱風の方が良いと言う、ちょっと変な言い訳をしながら窓を開ける。
残念ながら康生には安定剤効果は無いみたい、と花は密かに思う。
「病院は定期的に通ってるのか?
兄貴も詳しく言わなかったから、無理矢理は聞かないけど女将も親父も心配してる。
早めに教えろよ。」
家族には今日の結果次第でちゃんと伝えなくちゃと、花は思う。