乙女と森野熊さん
「森野がうちらを近づけない理由の一つはこれね。
まぁそれはおいおい乙女ちゃんもわかるとして、将来うちに来るのも選択肢に考えてくれないかしら」
とても嬉しいお誘いだけれどそちらに私は行けない。だけど熊さんがどうやって警察庁に入ったのはやはり興味がある。
「例えばそこに入るにはどうするんですか?」
「一般的なのはそれなりの大学の法学部を出て、国家公務員Ⅰ種試験に合格してその上位にいる事ね。割と難関だから」
さらっと厳しいことを言われてしまった。ということは、熊さんはもの凄い学歴の持ち主なのでは。聞きたい。でもやはり熊さんから直接聞きたい。
「私、残念ながらそんなに学力は無くて。さすがに無理だと思います」
「勉強なんてやれば上がるんだから。
既に美人で強くて身長も高いなんて難しいこと、全てクリアしていることに比べたら軽い軽い。
あ、勉強なら森野に教えてもらったら?確か大学の時バイトで家庭教師してたし」