乙女と森野熊さん
その後売店によって警視庁シンボルマスコットであるピーポくんのマスコットキーホルダーを一つ買った。お守り代わりに家の鍵につけておこう。

本田さんに警視庁の入り口まで送ってもらい、私は警視庁の建物を出て見上げた。

とがってるようなとても高い独特の建物。

ここで熊さんが何をしているのか、どういう経歴なのか、私は何一つ知らなかった。

凄い人かもしれないと教えられても、まだ実感が湧かない。

ほんとは隠しておきたい事情を私が勝手に来たことで熊さんの仕事を結局は邪魔してしまった。

霞ヶ関に来るときのわくわくした気持ちなど微塵も消えて、私は帰ってきた熊さんときちんと話せるのか今から不安になっていた。

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