乙女と森野熊さん


「熊さんってどんな仕事してるの?」


私の質問に熊さんは考えているようだ。


「まとめ役の補佐、雑務」


「でも今日多くの人に指示してたよね?」


「たまたまだ」


思わず口がとがってしまう。絶対言いたくないんだ。


「現実はドラマとは違う。聞いてもつまらないだけだ」


「でも教えてくれても良いのに。

警視庁で見た熊さん、うちで見る熊さんとは別人みたいだったんだもん」


興味本位とはいえもっと熊さんを知りたいし教えて欲しい。

でも熊さんは黙って麦茶を飲んでいるだけでその先は話してくれないので寂しいけど諦めた。

熊さんに尋問だと思わせるほど質問攻めにしたお姉ちゃんはどうやったのだろうか。結局恋人か本当の家族にしか出来ないことなのかもしれない。

< 112 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop