乙女と森野熊さん

「で、その後特に連絡取ったりはしてなかったんだけど、森野さんから電話がきて、山浦さんが危険に巻き込まれる可能性があるから学校や下校時に何か不審なことが起きてないか情報が欲しい、佐藤さんが泊まりに来ているときにも、って頼まれたんだ。

それで何か山浦さんの身に起きることを心配しているんだなってわかって、密着取材とかいって過ごすようにしたんだ。

全部はカバーしきれないから、メンバーに頼んで出来る範囲で山浦さんの様子を見て貰うように頼んで。

だけど肝心なときに家で急用が出来てスマホにすら触れない状態になって。何のためにやってたんだか」

「いえいえ!先輩が熊さんに教えてくれたから助かったんです。こちらこそ感謝しています。

それにみんなも助けてくれたんですね、ありがとうございました」

一人一人の顔を見て、私は頭を下げた。

「話せる範囲で良いんだが、助かったという意味を教えてくれないか」

小林先輩の質問に私は躊躇したが、今度は真奈美に何かあるかもしれない。

私はここだけの話しと言うことで何があったのかを皆に話した。

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