乙女と森野熊さん
テーブルの上に料理を並べ、時間を見計らってお味噌汁を温め直す。
今日のメニューはオーソドックスに豚の生姜焼きなのだが、一つの皿に大量に豚肉を積んである。もう一つの皿には山盛りのキャベツ。
味噌汁には残り野菜を詰め込んで、トマトも切って山積み。
熊さんがお風呂から上がってきてテーブルに近づいてきたのを確認しご飯をよそえば、熊さんは椅子に座ること無く私の隣に来て大きな手で二つのお茶碗を持って、そしてノンアルコールビールの缶まで持った。
「「いただきます」」
熊さんが無言で食べ始め、私はそれを見ながら数枚お肉を自分用の取り皿にとって食べ始める。
お肉が残れば明日のお弁当に使おう、残ればだが。
「学校、どう?」
既に何枚か豚肉を食べ終えた熊さんが話を振ってきた。
「んー、ぼちぼち?」
「生徒会は?」
「そっちは大変」
はぁっとため息をつくと、味噌汁を飲みながらこちらを見て先を促している。