乙女と森野熊さん
「一年生達が私のファンクラブを作りたいと生徒会に言ってきたらしいんだけど、生徒会長がそのファンクラブの会長にするなら許可すると言って、見事に私のファンクラブという部活が誕生する訳のわからない事態に」
「生徒会長は男なんだよな?男子が反発しないのか?」
「男子が私に興味示すと思う?
ファンクラブを作りたいと言い出したのは女子だけだよ。
生徒会長は面白そうだから関わりたいだけ。いや、女の子に囲まれたいのかも」
私が笑いながら言うと、熊さんの眉間に皺が寄った。
「乙女ちゃんは女の子なんだから、あまり男子の言うことを鵜呑みにせず警戒はすべきだ」
「私、合気道何段だと思ってるの?」
「だから比叡山の事件を」
「何度も聞きました!きをつけまーす!」
私がそれだけ言って終了させると、熊さんはため息でもつきそうな顔でトマトを食べ出した。