乙女と森野熊さん
「しかし山浦は肌が綺麗だな」
「そんな」
「髪も艶々で触りたくなるよ」
「いえいえ」
「それにしても急に大学入試対策なんて、実は付き合っているやつがいるからそこに行きたいのか?
クラスのやつか?あぁ生徒会の三年か?
今までも付き合ってたやついるんだよな?俺が知ってるヤツか?どこまで進んだんだ?
そういやそれなりの年齢の男と二人きりで住んでいるんだろう?嫌らしい目で見られてないか?触られたりしてるんじゃ無いのか?」
「はは」
完全に声が震えた。
私のことをとやかく言うのは良い。だが熊さんを本村と同じ嫌らしいおっさんのように言われたことで一気に頭に血が上り、それを必死に押さえて出した言葉はあれが限界だった。
そんな腹立たしいことと気色悪いことを言われながら、秋山先輩から指示を受けた30分をなんとかこなしたが一切本村からボディタッチは無く、私では駄目だったかと多少なりにも凹みながらお礼の挨拶をしてドアに手をかけた、その時だった。