乙女と森野熊さん

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粗末な部屋だ。

パイプ椅子、古いスチールの机、壁は薄汚れていて窓も無い。

目の前には制服の警察官が二名。

私は警察署の三階にある訳のわからない部屋にいた。


「で、捕まえ通報した、と」


50は過ぎていそうな頭がほぼハゲた警察官がかったるそうに聞き、隣のまだ20代のようにみえる警察官がパソコンでやりとりを打ち込んでいる。

あのあと、すぐに自転車に乗った警察官とパトカーが来てちょっとした騒ぎになった。

私が捕まえた男は近くのコンビニに盗みに入り店員を突き飛ばして逃走、その途中でりんごちゃんを突き飛ばしたそうでその場で逮捕された。

公園で私が男をいたぶっているかのように誤解したおじさん達は、コンビニの店長とお客さんらしく、別室ではりんごちゃんが話を聞かれているらしい。