乙女と森野熊さん
急に目が潤みそうになる。
お風呂に入りたくなかった理由を自分でわかっていなかった。
熊さんの言葉で自分が思ったよりも今日起きたことを怖がっていたことに気が付く。
それがわかっているから熊さんはケーキだけじゃ無く入浴剤まで私のために買ってきてくれた。
自分よりも熊さんの方が私をわかって大切にしてくれていることに、嬉しさと申し訳ない気持ちが沸いてしまう。
袋を持ったまま俯いてたら頭に大きな手が乗る。
「ほら」
「うん」
私は頷くと袋を握りしめた。