乙女と森野熊さん



お風呂から上がると熊さんがソファーに座る背中が見えスマートフォンで誰かにメールを打っているようだ。

私はそれが終わるのを離れたところで待とうとしたが熊さんが私に気づいて手を止めた。


「ありがとう、熊さんどうぞ」


「足見せて」


うっ、と戸惑ってソファーに行って座ると、熊さんが私の足の前にひざまずき、私は渋々パジャマの裾をあげる。

さっきお風呂で見たら思ったより掴まれたところが青くなっていて、爪を立てられたとこが痛んでいるのかよくわからないけど、心配かけそうだから見せたくなかったのに。

熊さんは私の足を持つと、軽く足首を動かした。

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