乙女と森野熊さん
だけど留守電になってしまい、私は仕方なく要件を吹き込んだ。

警察署から電話したあの時は運が良かったのだろう。私だって授業中に電話には出られないし、仕事中なら当然だろう。

メールも送って、いざとなれば警察の人に手渡ししてもらおうと警視庁に向かい歩き出した。

簡単に車とが入れないためにか可動式の門がほとんど閉められ、その門の所に棒を縦に持った制服の警察官が一人立っていて私が横切る前にお辞儀をすると、ちらっと見られただけで何も声をかけられない。

いつ何を言われるのかと思ったが、警視庁の建物入り口にいる警察官も何も言わない。

だが中に入ると受付のような場所があり、駅の改札のような機械があって簡単に入ることは出来ないようだ。

どうしようと立ち止まっていると、離れたところに立っていた制服の男性警察官が声をかけてきた。


< 81 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop