BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
ベッドの端に座って、みっくんの頭にタオルを乗せた。希乃愛を起こさないようドライヤーは使わず、そのまま頭をごしごしと手を交互に上下させていく。
髪の毛を乾かしてる筈なのに、みっくんがどんどん寄りかかってくるから、やりにくいんだけど……。
「ちょっと、ちゃんと座って下さい」
「香江ちゃん、柔らかいし良い匂いするんだもん」
後頭部を胸元に押し付けてられて、同じ石鹸とシャンプーの香りが漂ってくる。
まだ湿り気のある髪がほおに当たってくすぐったいな。そう思ってたら、ピタリとその動きが止まり、彼がぐるりと私の方に体を向け背中に手を回してきた。
「急にどうしたんですか?」
「なんで、つけてないの?」
「…………え?」
きょとんとたずねれば、みっくんが胸元に顔を埋め下から覗き込んできたから気がついた。
そうだ、上の下着つけてないままだった。
「いや、だ、だって、コンビニに売ってなかったし、夜だし、あと寝るだけだし……」
「ふーん、そうなんだ」
ギュッと抱き付いてきたみっくんを引き剥がそうとする。けど、ビクリともしなくて、それどころか余計に腕の力が強くなっていく。
「ははっ、柔らかいね」
「は、離してくださいっ!!」
「そんな大きな声だしたら、希乃ちゃんがびっくりして起きちゃうよ」