BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~



すぐ側で、希乃愛の規則正しい寝息が聞こえる。
この子が夜中に目を覚ますことは滅多にないけど。さすがにこれはないと、頭では分かってるのに──。



「だ、駄目ですよ……」

「もちろん、そのつもりだったんだけどな。香江ちゃんが可愛すぎて少ししていい?」


みっくんの台詞が頭の中でフリーズする。
"していい?"って、ナニヲデスカ──?

頭を左右に振ったところで、ベッドからカーペットが敷かれた床上に引きずり下ろされて、スウェット越しに胸をパクりと食べられた。



「…………っ!?」

「ずっと会えなくて寂しかったなー。香江ちゃんは寂しくなかった?」


胸から離れないみっくんが、いつもより声のトーンを上げて下から覗き込んでくる。



「いや、だからですね、それどころじゃなくて… 、」

「うん、色々あったよね。香江ちゃんは頑張った頑張った」

「は、い……みっくんには感謝して……ます」

「でも、俺も頑張ったんだよ?ありがとうって思うならご褒美ちょうだい?」


薄暗い部屋の中でも、彼の眉が下がって甘えたモードに入ってるのが分った。
年上の男の人なのに大きな子供みたいで、心の奥がなんかムズムズしてくる。

まだ完全に乾いていない髪の毛を、櫛で梳かすように何度も撫で下ろしていくと。その間もみっくんの顔は私の胸に埋められたまま、もぞもぞ動くから、むず痒くて堪らない──。



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