BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~



どのくらい時間が過ぎただろうか。
胸がふやけてまだじんじんとしてる。唇の輪郭が曖昧になるほどキスをたくさんされた。

半泣き状態で訴えて、やっと抱き枕するという条件でやめて貰えたのだけど。


どこからか美味しそうな匂いが漂ってきた。
洋風の野菜スープにベーコンを焦がしたような、朝ごはんの香り。


カーテンの隙間から陽の光が射し込む。いつもと違う布団の感覚。うつらうつらと目を薄ら開けると、すやすやと眠る希乃愛が視界に入った。
そうだ、昨日はこの子と一緒にみっくんのお家《うちに》泊まったんだ。


上半身を起こそうとするけど体が動かない。
ギュッと誰かに抱き締められて、私の胸に誰かがモゾモゾとしていた。



「え……、みっくん?」


ベッドには私と希乃愛とみっくんの3人が横になっていて、みっくんが真ん中にいる。

部屋の中に広がる美味しそうな匂い。
てっきり、みっくんが朝ご飯を準備してくれてるのだと思ったのに。その彼は私をがっちりホールドしているから、その正体に疑念が沸き上がった。


何処からともなく、女の人の鼻歌が聞こえてくる。慌てて顔だけキッチンの方へ向けると、レースのエプロンを着けたその人がお玉を片手ににこりと笑顔をみせた。





「香江ちゃん、おはよう!ぐっすり眠れた?」




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