BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
一気に血の気が引いて、眠気が吹っ飛んだ。
「みっくんの、お母さん……!?」
なのに背中から直に大きな手を回されて、胸をを鷲掴みにされるから、この状況に焦りを隠せない。
「ねぇ、やめ……起きてよ!お母さん来てますよ」
「うーん」
「ふふっ、この子ったら寝起き悪いのよ~。ごめんなさいね」
***
テーブルには4人分の目玉焼きと野菜スープ、サンドウィッチが並んでいる。
「えー、すごーい、おいしー!!みっくんのママー、えー、すごーーーい!!」
希乃愛が準備された朝ご飯を目の前にして、キラキラと目を輝かせる。
確かにお洒落で豪華で美味しそうなんだけど。みっくんは平然としてるし、あんな場面を見られて穴があったら入りたいと思うのは私だけなのだろうか。
「おかわりあるからね。いっぱい食べてね」
「えー……、やったー」
この子が私の腕にしがみついて、ちらちらとこっちを見ながらもみっくんのお母さんに返事をする。
恥ずかしくて物凄く気まずいけど、希乃愛の成長を感じることができて──
「香江ちゃんも昨日は疲れたでしょう?……ほら、夜の事情とかで色々とねぇ」
「……なっ、」
夜の事情って何??みっくんのお母さん、勘違いしてない!?
衝撃でパクパクと開いた口が塞がらない私を目の前に遠慮なく言葉を続けていく。
「それで、いつ 三槻と籍を入れるのかしら?」