BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~





「じゃじゃーーん!!!」


仕事から帰宅後。目をキラキラと目を輝かせる希乃愛が、玄関を開けてすぐ側の廊下に立つ。
その小さな右手と左手には、ピンク色の手作りカードを持っていた。



「ママー、みてー!みてー!!」


希乃愛の視線に合わせてしゃがんでカードに視線を向ける。真ん中に平仮名で「はっぴょうかい」と、中を開くと日時とプログラムが記載されている。



「今度、保育園で発表会があるのよ。その招待カードなんだって」

「発表会?もうそんな時期!?へぇ、希乃愛何の役やるの??」

「うさぎさーん、すごい?すごい?」

「凄ーい!希乃愛、うさぎさん大好きだもんね!絶対に見に行くから!!」


ギュッと抱き締めると「えへへ」と嬉しそうに笑顔を見せる。

希乃愛が今の保育園に通いだしてから約4ヶ月。
こんな自信たっぷりの表情を見せるなんて、随分とたくましくなったな。きっと、お友だちと過ごす時間も楽しいんだろうな。
しんみりしていれば、腕の中の希乃愛がもじもじと指を動かして言葉を発していく。



「ママ、かっか、ばーば、じーじ……み、みっくん」

「……見にきて欲しい人?みっくんも?」


希乃愛が頬を赤らめて大きく頷いてみせた。
うーん、お父さんとみっくんで行ったら空気悪くなっちゃうんじゃないかな。

でも、この日は確かみっくん出張が入っていたような──。




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