BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~



引き寄せられて、みっくんの膝上に向かい合って座る形になる。
いつの間にか捲り上げられていたスウェット。露になった膨らみを吸われてるから、戸惑いを隠せなくてみっくんの頭に力を入れた。

前に希乃愛が"ママ、おっぱい"と吸い付いてきた事がある。もちろん母乳なんてものは出なかったけど。
こんなに大きな男の人が、赤ちゃんみたい引っ付いているのが堪らなく恥ずかしくて、心臓の音が大きく鳴り響く。



「や、あの、みっくん、胸ばっか……」

「……んー」


ちゅぱっとわざとらしく音を立てて、一端離れて、今度は両手で形を崩しながら舌で舐めて吸ってかるく歯を立てる。



「あっ、……ん」

「香江ちゃん、これ好きなの?」

「べ、別に好きじゃっ………ないです」


希乃愛の寝息が響く静かな部屋。私とみっくんの小さな声のトーンがやけに大きく聞こえる。
両手で口を塞いでこれ以上声が出ないように、必死に我慢して、もどかしい気持ちが大きくなっていく。


どの位たっただろうか──。
彼が私の胸から離れた頃は、その形も輪郭もぼやけて分からなくなっていた。名残惜しいとまで感じてしまう程、ずっと吸い付いていたと思う。





「ベッドは希乃ちゃん寝てるから、ソファ行こうか」


耳元で囁かれた言葉に、ぼーっとする頭で小さく頷いた。




< 166 / 179 >

この作品をシェア

pagetop