BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
──可愛いね、姪っ子?
最初はただの上司だった。ただ、同じ課にいる年上の男の人。
スーパーで偶然希乃愛を見られたり、飲み会で介抱して貰って嘔吐したのに全然怒ることなくて、希乃愛にも優しくしてくれたみっくん。
──奈良崎さんは俺のこと、嫌い?
職場で噂になった時、勘違いだったけど希乃愛がいなくなった時、お姉ちゃんが帰ってきて落ち込んでいた時だって。
いつも優しく笑って支えてくれたみっくん。
──香江ちゃん、食べさせてよ
──俺が希乃ちゃんの代わりに甘えるよ
私よりずっと大人で、いつも優しくて穏やかな雰囲気をまとっているのに。子供みたいなこと言って、頭をぐりぐりすり寄せてくるみっくん。
「…………ぃ、」
「ごめんね、痛いよね」
「…………だ、大丈夫です…ぅぅ」
ボロボロと溢れる涙をペロリと舐められ、目蓋にキスを落とされた。大きな手が頭を優しく撫でられ、おでこにみっくんの額がコツンとつけられる。
す、凄く痛いけど、みっくんが私の事を宝物のように優しく扱ってくれている。
「無理だったらすぐに言って」
「違うんです、わたし……好きです、みっくんが好きなんです」
「…っ、俺も香江ちゃんのこと好きだよ」
涙が止まらない私の上でゆっくりと体を動かし始める。
余裕の無い息を切らして、今まで見たことの無い表情で──。
「俺のこと、一生大事にしてね」