BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~




小さなバスにのってやってきたのは、ディズミープリンセスのお城みたいなところだった。

お花もたくさん咲いていて、りっぱな門にまっ白なたてもの、それに、お庭のまん中にはふん水がある。こんなすごいところはじめてできんちょうしちゃうな。





──今日、あたしのはつこいの人がけっこんします。




とにかくおしゃれな階段をあがって、しんぞくひかえ室ってところに入ると、すっごくキレイな"かえちゃん"がいた。




「かえちゃんっ!すっごくかわいい!きれい!!お姫さまみたーい!!」


かえちゃんのところに走っていくと、かえちゃんがギューッと抱きしめて、頭をなでなでしてくれる。



「希乃愛も可愛いっ!!」

「えー、かえちゃんの方がかわいいよ!だって主役だもん」

「あは、ありがとう」


真っ白でふわふわなドレスにつつまれた、かえちゃんはとってもキレイでキラキラしてて、良いにおいがする。

でも胸がちょっとだけズキンとした──。






「希乃ちゃん、来てくれてありがとう。それが前に話してたドレス?可愛いよ、似合ってる」


かえちゃんの隣にいるみっくんが、しゃがみ込んであたしに目を向けてきた。

みっくんもまっ白なタキシードきていていて、王子さまみたい。
優しくてかっこよくて、ヒーローみたいで子供のころからだいすきだった。
でも、だいすきだけど、なんか今日はモヤモヤするのなんでかな。



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