BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「お疲れさまでした。お先、失礼しまーす」
定時17時ジャスト。パソコンをシャットダウンしてパタンと閉じる。荷物を素早く鞄に入れてて席を立った。
「奈良崎さーん。今日、飲み行こうって話出てるんだけど行かない?奈良崎さんの歓迎会もかねてさ」
「ごめんなさい。今日は予定があって急いで帰らないといけないんです」
奈良崎 香江20歳。
美容器具メーカーの会社に入社して1週間。
営業課の事務として働いている。
学歴問わず。仕事内容、パソコン操作データ入力資料作成、電話担当、他雑用。残業なし。
未経験でも丁寧に教えてくれるし、先輩達も普通に優しい人達っぽいし。
とにかく、残業がなく定時に帰れるのがありがたい。
バスに乗って自宅にいったん帰り、母の自転車にまたがって飛ばす。息を切らして保育園につくと、希乃愛が勢いよく飛び付いてきた。
「ママー!!」
希乃愛はこのしらたま保育園の3歳クラスに入っている。
長い黒髪のツインテール。ちょっと人見知りなところがあるけど。大きな瞳に丸いほっぺたがチャームポイントで、世界で1番可愛い女の子だ。