BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~

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「無事に見つかった聞いて、安心したよ。ははっ、希乃ちゃんどこにいたの?」

「クローゼットの中でタオルにくるまって羽毛布団の下で寝てたそうです……」


仕事の後、マンションの近くにある小さな公園のベンチに主任と並んで座る。
辺りは真っ暗で公園入り口に外灯が1つあるだけで、人気(ひとけ)も無い場所だ。

警察の人も帰って、希乃愛を寝かし付けた後、主任から連絡が入ったのだ。



「タオルにくるまってクローゼット?それは見付からないね」

「ベランダの窓が開いてるから、てっきり外に出ちゃったんだと思って。警察の人が来て中もしっかり探してみましょうと母に説明をしたところで、希乃愛がクローゼットから自分で出てきたそうです」

「希乃ちゃんらしいね」

「本当に、今日はすみません。会社の人にも迷惑かけてなんてお詫びをしていいか……」


鈴木さんも、不思議そうに見てたな。明日、なんて説明をしよう。
履歴書に嘘は書いていないけど、変な噂が広まる前に、希乃愛のこと、本当のことを部長に話しておかないと──。




「眉間にシワ。俺は奈良崎さんの味方だから。大丈夫、フォローするよ」


ツンと額に指を当てられて、主任の言葉がふんわりとしたトーンで続けられる。



「どうせなら、謝罪よりお礼がいいなぁ。今日のね、奈良崎さんのやりかけの発注書、打ち込んでおいたよ」

「えっ、そんな事まで!?すみま……あっ、ありがとうございます」

「うん。どういたしまして」


隣に座る主任がフッと口元を緩ませて、頭をポンポンと撫でてくるから、じわりと涙が浮かんできた。


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