BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「む、むり、むり。そんなの無理ですよ!できる訳ないじゃないですか!」
「うーん。無理なら、みっくんって呼んでよ」
驚いて頭を左右に振ってお断りをすれば。主任はご希望が通らないためか、ムーッと小さな子供みたいに頬を膨らませ始める。
なにこれ──?
でも、名前くらいなら別にいいよね。
「…み、みっくん…(小声」
「うん、なーに?」
「……みっくん、」
「うん、いいね。もっと近くで、耳元で聞きたいな」
そう言って、甘えるように私の肩に頭を乗せて、嬉しそうに目を細めた。
なんか、大きな子供みたいで、彼が年上な事も忘れてしまいそうになる。
「あの、ですね……みっくん」
「うん?」
「さっきの、勘違いしていいってどういう意味ですか?」
「考えても、分からない?」
「わ、分かりません……」
いつの間にか、主任の手が頬に添えられていた。冷たくて骨ばった大きな男の人の手。
ゆっくりと距離が縮まってくから、キスをされるのだと気が付いて目をギュッと閉じる。
ほんの一瞬だけ、触れる。彼の冷たい唇の温度が伝わってきた。