BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~





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「奈良崎さん、どうしたの大きな溜め息ついて」

「えっ……、」

「ホント、つき合いたてって羨ましいわー」


三浦さんが、ニヤニヤと下から覗き込んできた。
お昼休み。営業課にやってきた彼女は、私の隣の席でお弁当を広げていて言葉を続けていく。



「若いっていいわね。私なんてときめきも無くなっちゃった30代だし、付き合い初めってこう何もかもが新鮮でドキドキしちゃうじゃない?」

「えーと」


目を輝かせる彼女はどうやら恋バナをしたいらしく、私の恋事情に興味津々だ。



「いや、いーのよ。同じ部署、しかも上司。話しにくいの分かるから、私の1人言だと思ってね」


なんて、三浦さんが顔の前で大きく右手を振ってみせる。

確かに、主任とお付き合いをする事になって戸惑いはあるのだけど。今はそれを上回る問題が発生していた。



マンション前で、お姉ちゃんと会った朝──。
姉は家に帰ってきたのだ。「勝手にいなくなってごめんなさい」と謝罪し、その後、母と姉が何を話したか知らないけど。あのマンションで父と母と姉と私、そして希乃愛の5人で暮らす事になった。

姉のことは嫌いじゃないし。希乃愛と本当の親子なのだから、同じ家で暮らすのはおかしな事じゃない。
でも、これからどうなってしまうのかと考えると不安で仕方がない。



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