BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「奈良崎さんが子供いるのはびっくりしたけど、私も結構早く産んで……あ、でき婚だったのね」
三浦さんは事実を知らないから、私のことを授かり婚のシングルマザーだと思っている。
希乃愛との関係が"姪"だと周りに伝えなかったのは、私をママだと信じているあの子の耳に変な情報を入れさせない為だった。
そんな浅はかな考えは、もう必要ないんだろうな。
「だから周りの目が厳しかったんだけど、今の時代そうでもなきゃ早く結婚しないのにね。早くても遅くても文句言われるのなんとかして欲しいわよねぇ」
「……そうですよね」
私は子供なんて産んだ事ないから分からないけど、世間の目の冷たさは知っている。
知らない土地で、親にも頼らず、あの人も辛い思いをしたのだろうか。
複雑な思いが、頭の中でモヤモヤと回っていく。
胸がぐっと痛くなって、目蓋が熱くなって泣きそうになったその時 ──
「あはは!ほら、うちもうセックスレスだからさー。そういうのご無沙汰だけど」
「セッ…………!?」
三浦さんの言葉に度肝を抜かれることとなる。