運命には逆らえない
僕はただ友達が欲しかっただけだったのに、
結局待っていた結末なんて望んでいなかった。

僕の周りに居てる人は家族だけで、
どこかに出かけても、
僕や僕の家族を見る人は居なく、
目を合わせもくれないし避けられる。

僕がいったい君たちに何をしたと言うのだ。
ただこの世界に産まれ生きてるだけなのに。



今日もいつものように1人で過ごすはずだった。
この綺麗な光を見るまでは。

綺麗な光の中に彼女がいて、
彼女は僕のことを“友達”と言ってくれた。

彼女と僕は正反対で、
家族には近づかない方がいい、と毎日忠告されていた。


それでも僕にとっては初めての“友達”だ。
家族の忠告を無視し近づいて仲良くなって、
いつしか“恋”を彼女に覚えた。

それが破滅の扉を開けた瞬間だった。


ある日、彼女と遊ぶためにある場所へ来ていた。
彼女と初めて会った場所。
この世界では珍しい、空を仰げる場所へ。


その場所に彼女はいなくて、
あったのは彼女の残骸。

僕は初めて彼女に触れた。
その刹那、眩い光が僕を襲う。
全身が溶けるような痛みに、僕は気づいてしまった。

家族が何故、彼女に近づくなと忠告したのかを。
何故、僕は彼女と正反対だと感じたのか。

でももう遅い。

僕の家族と、彼女の家族の
醜い汚い、“戦争”が始まっていた。


戦争を目の当たりにして、
その光景に絶望して僕は叫ぶ。


気づいた時には周りは、
死なないはずの家族さえも息をしていなかった。

まだ僕は知らなかった。
僕に、僕の叫び声はこの場の空間に居てる者の息の根を止めてしまう力を持っていることを。


死とは永遠に関係がなかった家族が滅びていく。

僕は結局運命に逆らえないまま、
残りの人生を運命によって歩いていく。

僕の過ちが、僕の一族と彼女達の未来を絶滅させた。



そうこれは、死神の僕と、天使という肩書きを持つ彼女の過ちの運命の話。






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