煩悩過多なイケメンは私に一目惚れしたようです【マンガシナリオ】
第1話 物静かなイケメンもある意味健全でした
○教室、授業中。
教室の一番後ろ、窓際の席の如月千華を隣の席に座る御厨真尋が頬杖をついて見つめている。
千華:黒髪ロングヘア、ややつり目の美人。
真尋:黒髪、少し長めの前髪。二重の瞳は、長いまつ毛に縁取られている。
千華と真尋の髪がさらり、と風に吹かれて揺れた。
千華(見つめられている──)
(と、気づいたのはいつだったか)
○朝、下駄箱(昇降口)
周りには登校してきた生徒が大勢いる。
千華が靴を履き替えていると、男子生徒の話が耳に入りピタリと動きを止めた。
男子生徒A「うわ、きれーな顔」
男子生徒B「でも冷たそうじゃね? 俺はもっと、ふわふわした可愛い系がタイプ」
生徒A「あー、俺も」
二人はこの会話が、千華に聞こえているとは思っていない。
男子生徒二人組が居なくなってから、千華は足早に教室に向かう。その表情は硬い。
千華(はぁ……)
(また嫌な会話聞いちゃったな)
千華の頭には、中学時代のワンシーンが浮かんだ。
○【中学時代回想】教室、休み時間
千華は自分の席で本を読んでいる。
前の席には、クラスの女子二人が雑誌を見ていた。
女子生徒A「あ、この猫の置物可愛くない?」
女子生徒B「本当だ。昨日オープンだって、今日の帰り一緒に行かない?」
女子生徒A「いいね、行こっ!」
ティーン向けの雑誌には、新しくオープンした可愛らしい雑貨屋さんの写真が載っている。小さな猫の置物などの写真を見て、テンションが上がっているようだ。
可愛いものが好きな千華は、会話が気になり少し顔を上げると、ぱちりと、女子生徒Aと目が合った。
しばし見つめ合い、そらすのも気まずいと思ったのか女子生徒Aは千華を誘う。
女子生徒A「あー、如月さんも一緒に行く?」
千華「え? あ、えっと……」
まさか誘われると思っていなかった千華は、すぐに返事ができないでいた。
人見知りな部分もあるため、行くかどうか悩んでいる。
考え事をする時、きゅっと眉がよる癖がある千華。しばらくして、返事をしようとしたが遮られる。
千華「う、うん。私も行……」
女子生徒B「如月さん、こういうの興味ないでしょ? ごめんね、無理に誘っちゃって」
女子生徒A「あーたしかに、可愛いのとか興味なさそうだよね。ごめん!」
千華「あ……」
千華が何かを言う前に、二人は雑誌へと視線を戻した。そして、かすかに聞こえてくる会話。
女子生徒A「如月さんって綺麗な顔してるけど、たまに怒ってる顔してない? きゅって眉間にしわ寄せてさー」
女子生徒B「美人だけどとっつきにくいよね。話しかけても、乗り気じゃなさそうっていうか」
コソコソと小さな声で言っているが、二人の会話が聞こえて千華はチクリと胸が痛くなった。
千華(また誤解させちゃった)
(別に怒ってないし、私も可愛いもの好きなんだけどな──)
千華は、読んでいた本にそっと視線を戻した。
○回想終了
教室の一番後ろ、窓際の席の如月千華を隣の席に座る御厨真尋が頬杖をついて見つめている。
千華:黒髪ロングヘア、ややつり目の美人。
真尋:黒髪、少し長めの前髪。二重の瞳は、長いまつ毛に縁取られている。
千華と真尋の髪がさらり、と風に吹かれて揺れた。
千華(見つめられている──)
(と、気づいたのはいつだったか)
○朝、下駄箱(昇降口)
周りには登校してきた生徒が大勢いる。
千華が靴を履き替えていると、男子生徒の話が耳に入りピタリと動きを止めた。
男子生徒A「うわ、きれーな顔」
男子生徒B「でも冷たそうじゃね? 俺はもっと、ふわふわした可愛い系がタイプ」
生徒A「あー、俺も」
二人はこの会話が、千華に聞こえているとは思っていない。
男子生徒二人組が居なくなってから、千華は足早に教室に向かう。その表情は硬い。
千華(はぁ……)
(また嫌な会話聞いちゃったな)
千華の頭には、中学時代のワンシーンが浮かんだ。
○【中学時代回想】教室、休み時間
千華は自分の席で本を読んでいる。
前の席には、クラスの女子二人が雑誌を見ていた。
女子生徒A「あ、この猫の置物可愛くない?」
女子生徒B「本当だ。昨日オープンだって、今日の帰り一緒に行かない?」
女子生徒A「いいね、行こっ!」
ティーン向けの雑誌には、新しくオープンした可愛らしい雑貨屋さんの写真が載っている。小さな猫の置物などの写真を見て、テンションが上がっているようだ。
可愛いものが好きな千華は、会話が気になり少し顔を上げると、ぱちりと、女子生徒Aと目が合った。
しばし見つめ合い、そらすのも気まずいと思ったのか女子生徒Aは千華を誘う。
女子生徒A「あー、如月さんも一緒に行く?」
千華「え? あ、えっと……」
まさか誘われると思っていなかった千華は、すぐに返事ができないでいた。
人見知りな部分もあるため、行くかどうか悩んでいる。
考え事をする時、きゅっと眉がよる癖がある千華。しばらくして、返事をしようとしたが遮られる。
千華「う、うん。私も行……」
女子生徒B「如月さん、こういうの興味ないでしょ? ごめんね、無理に誘っちゃって」
女子生徒A「あーたしかに、可愛いのとか興味なさそうだよね。ごめん!」
千華「あ……」
千華が何かを言う前に、二人は雑誌へと視線を戻した。そして、かすかに聞こえてくる会話。
女子生徒A「如月さんって綺麗な顔してるけど、たまに怒ってる顔してない? きゅって眉間にしわ寄せてさー」
女子生徒B「美人だけどとっつきにくいよね。話しかけても、乗り気じゃなさそうっていうか」
コソコソと小さな声で言っているが、二人の会話が聞こえて千華はチクリと胸が痛くなった。
千華(また誤解させちゃった)
(別に怒ってないし、私も可愛いもの好きなんだけどな──)
千華は、読んでいた本にそっと視線を戻した。
○回想終了
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