煩悩過多なイケメンは私に一目惚れしたようです【マンガシナリオ】
第5話 即効性のあるソレ
○千華の部屋
 季節は四月下旬。大型連休にはいり、学校は休みだ。

 千華はベッドに横になり、だらーんとしている。

千華(世の中は大型連休──)
(私は家で「まったり」を満喫中)
(と言いつつ、遊ぶ相手がいないだけですけどね)

 ごろり、と寝返りをうちスマホを眺める千華。ピロンとスマホの画面に、メッセージアプリの通知が届いた。真尋からだ。

千華(御厨くんから? どうしたんだろ)

 千華はメッセージを開く。すると、ずらっと長文が書かれていた

真尋『これ買ってきて 至急』
『風邪薬、冷却シート、お子様カレー(レトルト)、水、お菓子……』

千華(風邪薬? 御厨くん体調悪いのかな)

 千華は「ん?」と違和感におそわれて、眉を寄せた。

千華(でもなんだか、文がシンプルというか……)
(いつもなら、『今何してますか?』とか寝る前の『おやすみなさい』に、絵文字がついてるのに)
千華(とりあえず、これを全部買って行けばいいんだよね? 急いだ方が良さそう)

 千華はスマホと財布、鞄を持ち家を出る。


○買い物を終え、スーパーを出た所で立ち尽くす千華。

千華(私、御厨くんの家知らないんだった……!)
(どうしようっ、御厨くんに聞いた方がいいよね)

 真尋にメッセージを送る千華。

千華『ごめんなさい。私、御厨くんの家の住所知らなくて。よければ、家の地図を送ってもらえると助かります』

 しかしいつまで経っても既読にならず、千華は涼介へとメッセージを送った。

千華『突然ごめんなさい。御厨くんの家の住所教えてもらっても良いですか?』
『御厨くんから、風邪薬を買ってきて欲しいってメッセージが来て……』

 送信してすぐに、ピコンッと返信が来た。

涼介『まかせて!』

 ご丁寧に地図つきで返信した涼介。

千華(ありがとう藤田くん……っと。よし)
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