煩悩過多なイケメンは私に一目惚れしたようです【マンガシナリオ】
真尋「な、んで、如月さんがうちに?」
友梨「お兄ちゃんが呼んだんじゃないの?」
真尋の足の方で、ベッドに両手を投げ出し上半身をうつ伏せにしている友梨。
真尋「まさかそんな」
真尋はベッド際に置いてあるスマホをとり、メッセージアプリを開いた。
真尋「……本当だ。涼介に送ったと思ったのに、こんな命令口調で俺は如月さんになんて事を……!」
千華「あ、やっぱり間違えっちゃってたんだ。でも気にしないで! ちゃんと買ってきたよ、薬とかご飯とか!」
真尋「すみません……」
うなだれる真尋。はぁ、と悩ましげにため息をつくその姿は、いつもの何倍にも色気が漂っている。
千華(……! な、なんだかいつもと雰囲気が違う)
友梨「ねー、友梨お腹すいたー!」
千華「!」
真尋がスマホで時間を確認すると、時刻はちょうど正午。
真尋「もうこんな時間か……、ちょっと待ってて。俺が作るから」
起きあがろうとした真尋の肩を慌てて掴み、ベッドに戻す千華。
千華「私がやるから、御厨くんはまだ横になってて?」
真尋「でもっ」
千華「先に友梨ちゃんのお昼ご飯を準備した後にらお粥とお薬、冷却シートを持ってくるから。キッチン借りるね」
目を見開く真尋。
その直後、バタンッとベッドに倒れ込んだ。
千華「御厨くんっ!?」
真尋「──幸せすぎて今なら死ねそうです」
熱なのかなんなのか、顔を赤くして嬉しそうに言う真尋。
千華「そんな縁起でもないこと、いま言わないでよっ」
友梨「チカちゃん、はやくカレーつくって!」
友梨に手を引かれ、千華は真尋の部屋を後にした。
○リビング テレビの前にはローテーブルとソファーがある。
ソファーには座らずに、テーブルとの間に座ってレトルトのカレーを頬張っている友梨。
友梨「おいしー!」
千華「友梨ちゃん、私お兄ちゃんにお粥持っていくけど一人で大丈夫? 食べ終わるまでいようか?」
友梨「ううん。はやくお兄ちゃんのところ行っていいよ。あとは若いお二人でごゆっくり」
うふふ、と小一らしからぬ笑みを浮かべた友梨。
千華(どこでそんなセリフを覚えたの友梨ちゃん……!)
千華「い、いってくるね」
苦笑いを浮かべた千華だった。