煩悩過多なイケメンは私に一目惚れしたようです【マンガシナリオ】
第6話 定番イベント発生中
〇昼休み、学校。
大型連休も終わり、日常が戻ってきた。
女子トイレの手洗い場で手を洗い、ハンカチで拭きながら廊下に出る千華。
廊下にはガヤガヤと生徒達が立ち話をしていたりと、賑やかだ。
千華が教室に戻ろうと歩いていると、前から歩いてきた担任の田崎が千華に「お、如月」と声をかける。
田崎「ちょっといいか」
千華「はい?」
立ち止まった千華に、田崎は詰め寄りぬっと顔を近づけてくる。
田崎「いま暇? 暇だよな?」
千華「え、ま、まぁそうですけど」
千華(暇というか、教室に戻ってゆっくりしようと思ってたんだけど……ま、いっか)
田崎「よし、暇だな。もうすぐ体育祭だろ? それであのハゲ……いや教頭先生が、俺に『ちゃんとビブスが、必要枚数あるか見てきてください』とか押し付け……いや頼まれて。俺次の授業の準備があるから、かわりに行ってきてほしいのよ」
田崎は「いやぁ助かったわ。はい、これ体育倉庫の鍵ね」と千華に鍵を渡す。
千華(あ、もう私が行く事は決定してるんですね)
田崎「んー、でも如月一人じゃ時間かかるし大変か。結構な枚数あるしな、誰か──」
田崎が視線を巡らせた時、樹が横を通りかかった。
田崎「丁度いい、そこの問題児。お前も手伝え」
千華(! 九条くんだ)
田崎は樹を見ながらそう言ったが、樹はキョロキョロとまわりを見渡し「誰に言ってんだ?」と首を傾げた。
田崎「お前……、自分が問題児だと自覚がないのか? そんなシルバーの髪と、ピアスあけといて?」
樹「は?」
樹が田崎にガンを飛ばす。
田崎「先生にガン飛ばすな。俺、普通に泣くからね」
千華(情けないです、先生)
樹「んだよ、晴せん。なんか用?」
田崎「お前だけだよ、俺の事を下の名前で呼ぶのは」
田崎の下の名前は『晴哉』だ。
樹は千華に視線をうつし、片眉を上げた。
樹「如月じゃねーか。なんだ、……晴せんにセクハラでもされてんのか」
千華「えっ!? ち、違うよっ」
深刻な顔で言う樹に、慌てる千華。
それよりも慌てたのは田崎だ。
田崎「おまっ、嘘でもやめろ! 俺を社会的に殺してーのか」
ガッと樹の首に腕を回し「あぁん?」と言うが、ペシっと軽くあしらわれた田崎。
ポキポキと首を鳴らす樹。
悔しさと情けなさで「うっ」と胸を押さえた田崎は、二人に人差し指をビシィィと向け叫ぶ。
田崎「もういい、強制参加だ。今すぐ二人で、体育倉庫を見てこい! 終わるまで先生
、許しませんからねっ」
プリプリ怒りながら去っていく田崎。
千華と樹は顔を見合わせる。
千華「……とりあえず、行こっか」
樹「めんどくせー……」
〇廊下を歩いている田崎はふと思い出す。
田崎(そういや、体育倉庫のドアの建て付けが悪くて一度閉まると、中からは開けずらいとか教頭が言ってたな。……ま、どうせ俺に行かせるための嘘だろ)
ふっ、と笑い「残念だったな。けけっ」とほくそ笑む田崎。
大型連休も終わり、日常が戻ってきた。
女子トイレの手洗い場で手を洗い、ハンカチで拭きながら廊下に出る千華。
廊下にはガヤガヤと生徒達が立ち話をしていたりと、賑やかだ。
千華が教室に戻ろうと歩いていると、前から歩いてきた担任の田崎が千華に「お、如月」と声をかける。
田崎「ちょっといいか」
千華「はい?」
立ち止まった千華に、田崎は詰め寄りぬっと顔を近づけてくる。
田崎「いま暇? 暇だよな?」
千華「え、ま、まぁそうですけど」
千華(暇というか、教室に戻ってゆっくりしようと思ってたんだけど……ま、いっか)
田崎「よし、暇だな。もうすぐ体育祭だろ? それであのハゲ……いや教頭先生が、俺に『ちゃんとビブスが、必要枚数あるか見てきてください』とか押し付け……いや頼まれて。俺次の授業の準備があるから、かわりに行ってきてほしいのよ」
田崎は「いやぁ助かったわ。はい、これ体育倉庫の鍵ね」と千華に鍵を渡す。
千華(あ、もう私が行く事は決定してるんですね)
田崎「んー、でも如月一人じゃ時間かかるし大変か。結構な枚数あるしな、誰か──」
田崎が視線を巡らせた時、樹が横を通りかかった。
田崎「丁度いい、そこの問題児。お前も手伝え」
千華(! 九条くんだ)
田崎は樹を見ながらそう言ったが、樹はキョロキョロとまわりを見渡し「誰に言ってんだ?」と首を傾げた。
田崎「お前……、自分が問題児だと自覚がないのか? そんなシルバーの髪と、ピアスあけといて?」
樹「は?」
樹が田崎にガンを飛ばす。
田崎「先生にガン飛ばすな。俺、普通に泣くからね」
千華(情けないです、先生)
樹「んだよ、晴せん。なんか用?」
田崎「お前だけだよ、俺の事を下の名前で呼ぶのは」
田崎の下の名前は『晴哉』だ。
樹は千華に視線をうつし、片眉を上げた。
樹「如月じゃねーか。なんだ、……晴せんにセクハラでもされてんのか」
千華「えっ!? ち、違うよっ」
深刻な顔で言う樹に、慌てる千華。
それよりも慌てたのは田崎だ。
田崎「おまっ、嘘でもやめろ! 俺を社会的に殺してーのか」
ガッと樹の首に腕を回し「あぁん?」と言うが、ペシっと軽くあしらわれた田崎。
ポキポキと首を鳴らす樹。
悔しさと情けなさで「うっ」と胸を押さえた田崎は、二人に人差し指をビシィィと向け叫ぶ。
田崎「もういい、強制参加だ。今すぐ二人で、体育倉庫を見てこい! 終わるまで先生
、許しませんからねっ」
プリプリ怒りながら去っていく田崎。
千華と樹は顔を見合わせる。
千華「……とりあえず、行こっか」
樹「めんどくせー……」
〇廊下を歩いている田崎はふと思い出す。
田崎(そういや、体育倉庫のドアの建て付けが悪くて一度閉まると、中からは開けずらいとか教頭が言ってたな。……ま、どうせ俺に行かせるための嘘だろ)
ふっ、と笑い「残念だったな。けけっ」とほくそ笑む田崎。