彼氏がふたり



「そっかぁ、じゃぁ美麻は夏休み中に王子落とすんだね!」

「まぁね」


落とすまでいかなくても、友達として仲良くはなりたいな。なんて、ぼんやりと頭に唯斗くんの顔を思い浮かべながらタマゴサンドをぱくりと頬張る。



「利香は今の彼氏とどっか行くのか?」

「うん、海に初旅行!アリバイよろしく」

「オッケー」

「楽しみ!新しい水着買わなきゃ~!穂波は?彼氏と何処か行くの?」

「実はさ、この間はじめてヤったんだけど相性悪くて」

「悪いってセックスの?」

「うん、めっちゃ痛くてさ。あいつゴムのサイズがXLなんだわ。箱見てびっくりした」

「XLってどのくらいなの?」

「うーん、この位かな」

「うええええっ、マジでぇ?」


穂波が両手を使ってサイズの説明をはじめるから、飲んでたお茶を吹き出しそうになった。



「あげくさ、本人は自慢げでヤバい体位で突っ込んでくるんだけどマジ無理で。太くて長けりゃいーわけじゃねーだろ」

「確かにー!細くて短いのもヤダけどねぇ!」

「美麻は?美麻はさ、デカ過ぎて痛い時どうしてんだ?感じるフリしてあげた方がいいのか?」


穂波が眉間にシワを寄せて"象レベルだぜ"と言葉を続けていくけど。
そんなの見たことないし、経験すらした事ないし、普通サイズさえ知らないです。



「い、いるよねー。大きさじゃないのに偉そうにしてる男。体の相性って大切だし別れるか。それかー、正直に痛いって言って、前戯で頑張って貰うしかないんじゃなーい?」




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